小児腎臓病のうち、急性糸球体腎炎とネフローゼ症候群は、食事療法が最も重要な疾患です。

急性糸球体腎炎

原因は、溶連菌や扁桃炎、上気道炎などに感染した1~3週間後に発症するケースが最も多くなっています。
発症時は、症状が強く、むくみ、血尿、タンパク尿、血尿、そして高血圧などが見られます。
小児期の場合は、通常1~2週間程度で、90%以上が治癒すると考えられています。
完治するには、安静と食事療法が必要です。

食事療法は、発症時にはタンパク質食品や食塩、水分を厳しく制限しますが、利尿が順調にできるようになり、経過が良くなってくれば、制限した食事も徐々に増やせるようになります。

ネフローゼ症候群

むくみ、高度なタンパク尿、血中アルブミン濃度の低下、そして高コレステロール血症などがみられる腎臓病です。
急性糸球体腎炎と比べると、治癒するまでの期間が長くかかり、再発することもあります。
副腎皮質ホルモンによる治療が必要となります。

食事療法は、タンパク質や食塩の極端な制限は行いませんが、腎臓の機能が低下しているので、過剰摂取とならないように気を付けましょう。
むくみ、乏尿がみられる場合は、食塩や水分は控えてください。

慢性腎臓病

末期の腎不全の予備軍とされています。
腎障害をあらわすタンパク尿や腎機能の低下が3ヶ月以上つづいた場合、慢性腎臓病と診断されます。
小児の慢性腎臓病の予防には、学校検尿による早期発見と、早期治療が、効果を上げていると考えられています。