嘔吐は胃の中にある食べ物などが反射的に口から排出される現象で、吐き気はその前駆症状です。上腹部や胸に不快感を覚えるのが特徴です。

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脳の延髄に嘔吐中枢があり、ここに化学物質や精神的刺激など、何らかの刺激を受けると吐き気や嘔吐が起こります。

子どもは少しの刺激でも、嘔吐が起こりやすいのが特徴です。
嘔吐は胃腸の疾患だけではなく、髄膜刺激症状でも起こります。
乳児は、胃がまだ袋状にはなっていないので、飲んだ乳汁が容易に逆流しますが、これは溢乳(いつにゅう)といって異常ではありません。

原因

吐き気・嘔吐は高熱や頭痛、腹痛を伴う場合、速やかに医師の診察を受けてください。
主な原因は以下の通りです。

  1. 胃腸炎、食中毒、幽門痙攣、狭窄(きょうさく)、腸重積症、腸ヘルニア、中垂炎などの胃腸疾患
  2. 脳炎、髄膜炎、脳出血などの髄膜刺激症状
  3. 感冒(風邪など)、咽頭炎、自家中毒症、中毒などの消化器以外の疾患
  4. 神経性刺激症状

看護

嘔吐の場合は、頭を低くし、腹部を圧迫するか、背中を軽くたたいてさすったりして、嘔吐しやすいようにする。
胃の中の内容物が空にすると、吐き気が治まり楽になります。
うつ伏し姿勢で静かに休ませあげましょう。
衣服をゆるめ、ベルト、下着、ガードルなどはできる限りはずしてください。
嘔吐に備えて、枕元に洗面器などを置いておくといいでしょう。
嘔吐後はうがいをさせ、口腔を清潔に保ってください。
落ち着いたら、番茶、白湯などを少量ずつ与えます。
嘔吐物や汚れたものは病人の側からすぐに片づけた方がいいが、場合によっては吐しゃ物を医師に診せる必要があるので、しっかりビニール袋などで保存しておく。
吐物の量や内容、色などが医師により観察されます。