下痢、嘔吐、発熱、口内炎、それぞれに適した食事方法があります。
特に乳児期、幼児期の子どもは、抵抗力が弱いので、注意が必要です。

水分補給の方法

吐き気、嘔吐がある場合、それが治まってから口からの水分補給を行います。
少量の水分を与え、嘔吐しないことを確認して、少しずつ量を増やしていきます。
嘔吐が激しく、なかなか治まらない場合は、早めに医療機関で治療しましょう。

水分補給に用いられる飲料など
白湯 水を沸騰させ、体温程度にさましたもの
お茶類 一般的にほうじ茶や番茶以外は用いない
砂糖水 5%程度の濃度のもの
りんごジュース そのまま、または薄めて用いる
スープ にんじんなどの野菜スープを薄い塩味にして用いる
小児用電解質液 経口補液剤

 

離乳食の与え方

下痢の程度や、全身症状により、離乳食は吟味するようにしましょう。
離乳のはじめのころは、乳汁を中心とします。
7,8ヶ月の場合は、胃腸に負担がかからないよう、5,6ヶ月の食事形態にするか、量を減らすことで、様子をみましょう。
回復に向かっていけば、徐々に元に戻していきましょう。
いずれの場合も脱水症状にならないよう注意し、速やかに回復させるために食事内容(栄養補給)に気を付ける。
使用する食品は、でんぷん(米、小麦粉、じゃがいもなど)が主体の食品や、豆腐、卵、繊維の少ない野菜などを選びましょう。
次に、魚、肉類を選び増す。
油脂類は正常便となった後に、与えるようにしてください。

消化のいい調理方法

煮る、蒸すなどの加熱によって食品の組織をやわらかくし、薄味に調理する方法が、一般的に消化のいい調理方法です。
それに比べて、焼く、油脂を使って炒める、揚げるなどの調理方法は消化が悪く、胃内での停滞時間が長くなります。
また、同じ食材でも、細かく刻んだり、食べやすい厚さや大きさに切るなど、切り方によって消化をよくすることができます。

消化のいい調理法
こめ おもゆ、くず湯、三分がゆ、五分がゆ、全がゆ
パン・うどん・いも・他デンプン パンがゆ、パンプディング、うどんのやわから煮、じゃがいもやサツマイモのペースト、マッシュポテト、ポタージュ、ブランマンジェ
豆類 豆腐のすり流し、豆腐の煮物、煮豆のうらごし、きざみ納豆
野菜類 にんじん・かぼちゃ・ほうれん草の葉先などのマッシュやポタージュ、繊維の少ない野菜のやわから煮、トマトのきざみ(皮と種は除く)、大根おろし、やわらか煮のあんかけ、クリーム煮
果物 りんごジュース・おろし、りんごや桃のコンポート
白身魚のすり流し、はんぺん煮、白身魚の薄味煮魚
ペースト状にした鶏肉、二度挽きした油の少ない肉のそぼろ煮
卵豆腐、具なし茶わん蒸し、かき卵汁、卵とじ、プディング、スクランブルドエッグなど。
卵は半熟状態が一番、消化はいいですが、体調の悪いときはアレルゲンになりやすいので、熱を加えた方が安全です。

 

発熱と食事

水分補給を忘れずに行いましょう。
食欲が落ち、消化機能も低下してくるので、たとえ食欲があったとしても、消化しやすい食べ物や調理法にして与えるようにしましょう。
また量が多すぎないよう注意しましょう。

口内炎と食事

ウイルスなどの感染症で、高熱が出て、口の中に白い斑点や潰瘍ができるアフタ性口内炎というものがあります。
痛みを伴うので、食欲が減退していきます。
舌触りがなめらかなで、飲み込みやすいもの、味付け、特に塩味は薄く、刺激の少ないもの、温度は熱すぎず、体温と同じくらいものがいいでしょう。
食事量が減少する場合は、少量で栄養価が高いものを選ぶといいでしょう。
ビタミンB群やビタミンCの摂取も忘れないよう、バランスを見てみましょう。
アイスクリーム、具なし茶わん蒸し、プディング、くず湯、やわらかいマッシュポテト、カスタードクリーム、豆腐、バナナ、バター、牛乳、ゼラチンゼリーなどが該当食品です。
どうしても口から水分や食事が摂れないときは、入院治療が必要となってきます。