喀血は呼吸器、特に肺や気管支からの出血をいい、吐血は胃や食道などの消化管からの出血をいいます。
ともに口から血が出るので見分けにくいですが、喀血はせきと一緒に出ることが多く、吐血は嘔吐の際に出て、食べ物の残渣と一緒に出てきます。
血を吐くと、本人も周囲も驚きが大きく、不安感が広がりますが、正しい処置をすれば、生命の危険は伴わないので、気を落ち着かせて対処することが大切です。
原因
- 喀血
肺結核、肺膿瘍(はいのうよう)、肺壊疽(はいえそ)、肺ガンなどの場合、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺のどこかの血管が破れることで起こります。 - 吐血
胃、十二指腸、食道などが何らかの原因で傷つき、出血することで起こります。
食道静脈瘤の破裂、食道ガン、胃潰瘍、びらん、十二指腸潰瘍、胃ガンなどの症状としてあらわれます。
生後2~3日の新生児が血を吐く場合は、新生児メレナです。胃腸粘膜からの出血をいいます。
看護
血液のために咽頭や気管が詰まって、窒息しないように側臥位の体勢にし、暖かくして安静にします。
せきはなるべくがまんし、血液は飲み込まないようにしましょう。
精神的にも安静を保ち、飲食は医師の指示があるまで中止してください。
3~4日後から少しずつ流動食を与えるのが一般的です。
患部をアイスノンなどで冷やしてください。
うがいをして口の中を清潔にし、血液のついたものはすぐに片づけるようにしましょう。
肺結核の場合は、汚物中の菌から感染するので、汚物は消毒してください。
血痰は健康なひとにもたまに起こることがありますが、少量であれば、神経質になる必要はありません。