児童福祉制度は、児童の健全な育成や生活を保障するため、児童福祉の理念を追求するめに行われている社会政策全般を指します。
関連法や、他の期間との取組みも求められています。
児童福祉法
児童福祉法は、刑事法や民法などの区分と違い、以下のように区分します。
- 18歳未満を児童とする
- 満1歳未満までを乳児
- 就学前までを幼児
- 満18歳までを少年
と規定しています。
児童福祉法では、
「児童が身体的、精神的、そして社会的にも健全に育成されるために、少年法など関連諸法との連携のもと、国や地方公共団体、保護者が一体となって取り組む必要がある」
としています。
また、
「児童の権利を保障するために、広範囲で多角的な政策を実施しなければならない」
としています。
児童福祉の施策
具体的な児童福祉の施策として、
- 身体障害児童の検査・相談
- 自立支援(育成)医療費の給付
- 結核にかかっている児童の療養と学習の援助
- 児童福祉施設への入所措置
などが行われています。その他には、
- 子育て支援
- 保護者による児童虐待の対応
- 家庭裁判所と連携して問題解決にあたる
といったことも行われます。
児童の健全な育成が妨げられる場合は、それを完全になくすことを目標に、違反者に対しては厳罰を科して、必要があれば親権の喪失宣告を請求しています。
平成24年4月からは、父母の親権を停止する制度も施行されています。
さらに、児童に淫行を強要したり、施設に入所している児童を酷使するなどの問題があった場合は、その行為を禁止させる措置もあります。
身体障害児や知的障害児についても、障害児通所支援や障害児入所支援によって、日常生活や集団生活への適応訓練が行われたり、在宅介護の支援も行われています。
児童福祉法施行のために
厚生労働省は、児童福祉法施行のため、中央児童福祉審議会や都道府県児童福祉審議会などの機関をおき、各地方公共団体の行政組織で業務を分担しています。
おもな行政組織は、各都道府県下の児童相談所、福祉事務所、保健所などです。
そこでは、児童、妊産婦、知的障害児の福祉に関して、様々な調査や指導が行われています。
児童相談所
児童相談所は、所長を中心とし、地区担当の児童福祉司や業務担当の職員で構成されています。
児童について総合相談を行っている他、児童やその家族に対しての必要な調査を行い、社会学的、心理学的、教育学的、医学的、そして精神保健上の判定などを行っています。
また、その調査や判定に基づき、指導や児童の一時的な保護、巡回相談なども実施しています。
福祉事務所
福祉事務所は、地域の児童や妊産婦の実情を把握し、児童や妊産婦に対する相談や調査、指導などを行うほか、事務所内に置かれている家庭児童相談室で児童福祉について、さまざまな相談に対応してくれます。
母子家庭世帯のために、子どもの学費などを貸してもらえる母子福祉資金、子どもの扶養に必要な手当てを給付してくれる児童扶養手当、住宅問題を解決するための母子生活支援施設の紹介など、各種の制度についての事務も行っています。
福祉事務所は、全国各地の自治体で設けられているので、お住まいの市区町村の福祉事務所を調べてみましょう。
保健所
保健所は、児童の保健について、正しい衛生知識を普及させる他、児童の健康相談や、健康診断、保健指導なども行っています。
障害児の療育指導や児童福祉施設に対して、栄養改善や衛生に関する助言を行ったり、母子保健法の下で出産前後の検診や乳幼児の検診なども行われています。